高知市教育委員会・市立昭和小学校2013年2月13日
内容
【高知市教育委員会・昭和小学校】
高知市立昭和小学校に到着し、西川 康校長と学校教育課長・土居英一氏の出迎えを受け、挨拶終了後小学校内の授業の見学に向かう。小学6年生から順次見学し最後に支援級の見学で終了する。授業の様子は各クラスともグループごとの意見交換をする様子や、それぞれの子供たちが自らの意見を発表している場面が多く、自己の考えを進んで表現している。
授業の様子を他人が見学に来ても、気が散ったり授業が停止するようなことはなく、生徒及び教員はこうした視察に慣れているように感じる。見学終了後説明を聞くこととなる。
「土佐を代表とする歴史的な人物を題材とした郷土の歴史教育について」
昭和小学校の伝統である研究を常にしていく学校として、昭和62年放送教育全国大会、平成8年全国社会科教育研究大会、平成11年全国視聴覚教育研究会会場校等と全国規模の研究会等を実施してきた。学習指導要領全面実施の2年目に、第50回全国小学校社会科研究協議会研究大会高知大会の授業会場校として社会科の実践教育を展開した。
今までの高知県内の社会科教育においても、教育の題材として、教科書に登場するのは坂本竜馬ではなく圧倒的に板垣退助であった。坂本竜馬については、昭和小学校の周辺が竜馬の生誕地であるなど、あまりにも短すぎて、竜馬を教育の題材として取り入れてはいなかった。今回の研究主題は「自ら学ぶ子の育成~自ら考え、学びを深め合う授業づくり~」として、校外学習も取り入れた身近な坂本竜馬となる。NHKの竜馬伝もかなりの影響があったものと考えられる。
「自ら学ぶ子の育成」とは、
① 興味や関心を持ち、自分の問題意識がはっきりしている。
② 問題解決について見通しを持つ。
③ 問題解決のために主体的に行動し、適切に判断する。
④ 自分の行動を振り返り、新たな問題を見つけて考える。
⑤ 「人・もの・こと」に進んでかかわろうとする。
「学びを深める」とは
① 学習に対して理解を深める。
② 授業を通して、様々な考えがある事に気付くこと。
③ 自己の考えや思考が変容すること。
④ 自己の考えを再認識すること。
⑤ 新たな気付きや課題が生まれること。
以上のような研究をテーマに身近な坂本竜馬を通して、学習力を深めていった。現在でもその研究を通じて、校舎内にはいろいろな竜馬を中心とした、生徒の研究成果が張り出してあった。
「郷土を愛する児童の育成について」
全国小学校社会科研究協議会研究大会を経過し、地域をより明確に理解することから、歴史的人物がどのように生きてきたかを深め、一人ひとりの子供達が、自ら考えることにより人格形成に影響しているものと考える。坂本竜馬という人物が、子どもたちの関心も高く、新しい教育の題材として適切のように感じた。
「高知市教育改革・教育改善について」
「全国学力・学習状況調査」の結果、高知市の現状は全国平均より低くなっていたことを契機に、学力向上を目指して実施することとなる。
初めに全国学力・学習状況調査の結果を公開し、基本方針と重点目標を以下のように定め、保護者向けパンフレットも同時に作成する。
基本方針
① 人権・平和教育の推進
② 学力の定着
③ 道徳教育の推進
重点目標
① 心と体の健やかな成長をめざした支援体制の充実
② 確かな学力をつけるための授業改革
③ 子どもたちの進路を保証する指導
④ 組織として機能する学校づくり
⑤ 子どもが健全に育つ家庭・地域づくりへの支援
このように教育支援の目的をはっきりと示して学力の向上をめざした点では評価できる。市内22校の小学校ではそれぞれが努力し効果をあげている。教育の経過・到達度は、保護者に公開、独自のパンフレット作成しそれを伝えている。
その他、小1プロブレム解消のための教育連携として、「のびのび土佐っ子」保・幼・小連携としたプログラムを展開している。その中には幼稚園・保育園のうちに身につけるべき課題を提示し、小学校入学時にすぐに教育環境に慣れるように努めている。保護者にも同じように、学習態度の育成やひらがな・数字の獲得、自分の名前書けるようにつとめるなどの協力を依頼している。
「高知市内の教員を対象とした高知教師塾に関する実践の過程とその評価について」
教育に対する「情熱と実力」を備えた教員養成を行い、ミドルリーダーとして学校組織の活性化。さらに、これからの高知の教育の将来を担うことのできる人材の育成をめざすことを目的とした高知教師塾を教育委員会が主催として平成18年度より実施する。本年度で7期を終了、一定の評価があったものとして、今年度で終了することになる。
受講人数は40名前後、開催回数は5回、時間はおおむね午後1時より午後9時まで、残業時間分の給与・振り替休日の保証はなし。学校によっては研究校の指定などもあるので、参加に関してはあくまでも自由。人によっては毎回参加する人もあるが全く参加しない教員もいる。
教育改革をするにあたっては、教職員の資質の向上は外せない課題である。組合との関係もあると考えられるが、高知市のこうした取り組みは評価すべきものである。
≪授業風景、皆さん真剣です≫
≪図書室本の貸し出し状況は年々向上している≫
≪小学校の蔵書はパソコンで管理、他校ともネットでつながり、他校の蔵書を知ることができる≫
≪坂元竜馬に関する児童の研究、代表作が廊下に張り出されていました≫
≪学校の研究成果の報告を受けました。右が校長先生、左が副校長先生です。ありがとうございました。≫
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